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試聴はここで


*音楽の神様は三人おります。シングルカットの神様、シングルゴッド・ヒトト。アルバムで輝く曲の神様アルバ。そしてセンスと魔法の神様センセ。こ三人折り合いが悪く滅多に仲良く登場することはありません。そんな三人が珍しく気を合わせて登場してパラパラパラとマジック振りかけたのがこのアメリカのアルバム、ハートです。ただしセンセがいたづらをした。地味ーに聴こえるように。ちゃんと長く愛して聴かない人間にはほよーっと通り過ぎてしまうように。その価値がわからないように。仲の悪い神様を取り持ってしまう力を持った若者達アメリカはイギリス育ちのアメリカ生まれ。和魂洋才ならぬ英魂米才のお兄さん達です。若者を助ける老執事にはビートルズで一時代を築いたプロデューサー、ジョージ・マーティンとエンジニア、ジェフ・エメリック。でも彼らがやったことはちょっとした手助けのみ。もう既にキラキラと才能を発揮していた彼らに自信とやる気を与えた。前作に続いての神様の粋な計らいです。まず頑張っちゃったのはヒトトちゃん。ちょっと頼りなさげな歌声の兄ちゃんジェリー・ベックリーの首筋にフっと息を吹きかけ2曲を作らせました。ひなぎくのジェーンと金髪の神の少女。センセも協力。1.の「ひなぎく」では出だしから聴こえるか聴こえない程度にバスドラの4つ踏みを。それだけ聴けばデスコだけど、その静かな躍動感が人々の潜在意識に直撃。ただの地味曲には終わらせません。ヒトトの魔法のメロディをさらに際立たせるように。執事マーティンに美しきストリングスのふりかけもかけさせた。10.の「金髪の〜」。ヒトトが魂を犠牲にして力の限りの魔法をかけた曲。イントロのジョージ・ハリソンさんのエクトプラズム参戦のスライドギタア。フィルインのドラム。生ギターのストローク。そしてメロディ、歌と一世一代の名曲。70’sを代表する曲の一つに。センセが最後の最後に「1,2,3,4」とカウントを入れるようにそそのかした。派手なギターソロも隠喩に富んではったり効いた気取った歌詞も無いけれどこれが愛すべき本当の曲です。ひたすらアルバムの中の曲で輝くものを作りたい神様アルバが今回愛した兄ちゃんはちょっとぼよよーんとした声のダン・ピークちゃん。ひな菊の次の2.半人前男、そして金髪の〜の前、十代の物語でもう効果百倍。ここでおってくれてヒットの前と後ろで聴いてこそ味わいが増す増す曲を。これだけはベストアルバムでは味わえない味かと。アルバはもちろんベックリー君にも仕事をさせた。4.のベル・トゥリーを聴いてください。溶けます。はかな過ぎるぐらい早く終わってしまうのもまた。さあダン・ピーク君。両親ともアメリカ人だけ有って一番アメリカの風を背負ってる。5.のオールド・ヴァージニアでフォークの美味しさを。8.今夜の女性ではレゲエで目を覚まさせ、11.トゥモロウは「金髪〜」後にしっとりと染み渡る。楽太郎でさえ清らかになっちゃうよ。ぽんぽんぽんと美味しい位置で味を発揮してます。バーネル君。いたの?とんでもないちゃんとおるでよ。一番男っぽい歌声じゃき。ど真ん中、ナカジマミユキみたいな6.谷間の人々。スティーブン・スティルス爺の遺産のカンパニー。そして最後のシーズンズで〆の大役を力強く飾ってる。裏ジャケの屈託無く笑う3人の姿。これがこのアルバムの全て。最高のコンビネーションで最高の音楽を作りました。これをこちらが愛さない訳にはまいりません。生きててほんとに良かったわーと感じる瞬間を味わわせてくれた。これぞ100年殺しの盤。行っちゃって下さい。

(マスター)2004.11.23



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*今週の「完璧なシングル」は
「金髪の髪の少女」、アメリカです。
完璧なシングル界中でも正に完璧、70’sのお臍に登場した極め付け曲なのだ。TOP40チャート初登場は75年4月26日、以降とんとんとんと駆け上がってナンバー1になったのは6月の14日号。1週だけ君臨してそよ風のように去って行った。次の1位はメガ・ヒット「愛ある限り/キャプテン&テニール」。ちなみに前週は「素晴らしきカントリー・ボーイ/ジョン・デンバー」。と売れる売れないにはちいとも関係無く出会ったとたん永遠の曲となり。あまりに75年の音。それまでのポップの歴史、ロックンロールの歴史が全てジェリー・ベックリーとゆう見た目平凡な若者に降りて来て仲間の二人と製作のジョージ・マーティン氏、バックのメンバーと共にイタコ状態この地球に出現したなり。とてつもなくかわゆく。全ての完璧なシングルはイントロ一発の瞬間で決まります。C#mの生ギターストローク。Aに降りて来てEに降りてEsus4で塩気を足してEで収束、F#mつう不安定で2バース目、そこに入って来るのはジョージ・ハリソン神の宿ったスライド・ギター。自信無さげに揺れながら必死に真面目にメロディを。ストロークはC#m、B、Aと曲に登場する9割のコードをここで開陳、どこからこの進行編み出したか。全く想像出来ず。メジャー、マイナーの連合軍、ビートルズ・マジックここに倍返しで再現だ。そして歌。Eで「♪うえらい」と入ってG#mと初めてのコードで意表を突いてぐっと腰を落とし溜め。エレキのアルペジオ。モンキーズの神が宿ったタンバリーン。「♪トライ・トゥ・メイキッサンデイ」。歌詞の意味を訳して把握する前に英語そのままで完全に心に入っちゃってます。これはもう「トライ・トゥ・メイキッサンデイ」って意味なのだ。2バース目でバンド参加。ドラムの引っかかりながら微妙にずれたタイムのフィルイン。デジタル変換不可能のこれ、ずっとハル・ブレイン氏だと思ってた。クレジットにはバンド・メンバーのウイル・リーコックスさんしか無いけど、とにもかくにもハルさんが憑依してるアメリカンドラムの黄金が。歌バックのギター・ストロークの絶妙さ。じゃかすかじゃかすかってあまりにも当たり前で一つ間違えばスカスカのださださだよ。ベースも頭だけだし。ぎりぎりの所でバチっとはめて最高のかっこよさに。歌は「♪あいーん・・・ちゅうちゅう」と折れそうにふにゃふにゃ。リズムの喰いでビシっとしめてキッっと決めて展開へ。時は一挙に50’sにバック。「♪Will you meet me in the middle、Will you meet me in the end」って素敵な歌詞だなあ。我忘れて求愛してます。コードはB,A,Eと大メジャー3コードに。コーラスは彼方でビーチボーイズの神宿り。最後はF#m、G#m、Aと一つづつ上がって行って決まりそうなんだけど決まらず、そのままイントロに続くって。憎いねこの。すっかりリセットされての2番。2回目の「♪ちゅうちゅう」、2回目の50’s、そのままドゥーワップ・ワールドに。ここのところまるで違った印象に聞こえるんだけどコードは展開50’sと同じB,A,E。天国の様子がちらっと見える中、待ちきれないように「1,2,3,4ととたとぅーん」って終わり。完全に終わってるのに最初に行きたくなってまた聴いちゃうつう完璧なエンディングです。もう夢のような3分16秒。人生で一番短い3分だ。少しでも崩れたら台無しになるにも関わらず生ギター弾きたくなり。弾いてみるとこれが少し見えて気持ち良し。ギター・コードが#が付いて目が点になっちゃう時は、イントロはAm、F,C。歌はC,Em、F,C、Dm。50’s部分はG,F,Cでやってみて下さい。風が吹いてきます。金色の。
(山)2005.09.17

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