昨日のWANTED rocks   top   back



試聴はここで



*こないだちゃぶ通のチャートでロック英国編で登場したばかりであります。74年の暮れに最高位2位まで上がった「ストリーツ・オブ・ロンドン」を歌っているのがこのラルフ・マクテル氏。44年ケント州ファーンボロウ生まれ。2歳の時に父ちゃんが失踪、7歳の時には生活のためか芝居小屋でハーモニカを吹いていたそうです。その後自分のスキッフル・バンドを組んでウクレレを弾きながら英国各地を巡業、ギターも覚えて大学のジャズクラブで初めてランブリン・ジャック・エリオットの「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」を聴いてフォークに目覚めカントリー・ブルースと共に夢中に。ケルアックやスタインベックのビートニクの影響を受けた歌詞を書いてロンドン中、そして欧州を放浪、妻となる女性と出会い結婚、子を授かります。生活のため先生となってその傍らフォーククラブで演奏を。そんな時書いていた曲が出版社の目に止まって68年にアルバム・デビュー。その後も地道な活動を行い70年に初ソロ・ライブをロンドンで達成。そんな中、74年に2ndアルバム用に書いた曲、件の「ストリーツ・オブ・ロンドン」を再録音。それがアメリカのワーナー/リプリーズから世界発売されて大ヒット、ブレークしたってんだから世の中捨てたもんじゃありません。当のアメリカではあかんかったけどドイツをはじめ欧州でヒット、一躍時の人となりました。そんな訳ですから元々ハードコアSSWな方。実をゆうと弾き語りのSSWって私はちいと苦手。どうしたってドラムとベースが好きなんでして。その点この盤は最小限だけどそれが入ってる。良かったー。とは言うものの一番の聴き物はやっぱ弾き語り&コーラスの「ストリーツ・オブ・ロンドン」。こりゃ反則だわ。このタイトル。通して訳すと意味がさっぱりわからぬも「昨日の新聞は昨日のことを書いている」とか「休業中の市場のおじさん」とか「ナイトクラブ」とか「ティーカップ」とか「雨は忘れられた英雄の為にちょっぴりどしゃ降りでふる」とか聴こえてくるともう想像力どわどわーって。さらにこのジャケで裏ジャケはボクシングのリング、中ジャケは一癖ありそうな男衆、そして彼の経歴だもんなあ。一世一代のメロディも、ゴードン・ライトフットみたいな低音声もある。狙ってるのか無いのかわからんがまんまとやられるしかありません。ですからこのヴァージョンの「ストリーツ〜」を聴くためだけにこれ買っても全く損した気になりませぬ。その他の曲?期待にそぐわぬ「ストリーツ」の世界。いきなし明るいマリアッチ風の曲も2曲あって謎なんすが。謎といえばこれだけ英国塊の背景ながらなぜかそれほどイギリス臭さがないところ。むしろゴードンさんじゃないけどちとアメリカ寄りカナダのに近いかもしれない。バックはそれと裏腹にトラッド勢英国勢多数参加です。これがまた豪華。フェアポート・コンベンションのデイブ・ペグ。名うてのセッション・ベーシスト、ダニー・トンプソン。スティーライ・スパンのマディ・プライア嬢がコーラス。ココモもコーラス参加。デニー・レイン、ラビットの名前も。何か苦労してる人達が総出で彼を応援してるみたいだ。当の本人はそんな苦労など微塵も感じさせないマイ・ペースな歌声でやってくれて。それもまた憎いよこんちくしょー。そんなSSWのツボかたまりのような盤ですからこりゃもうその手のものが少しでも好きな方はイイコロかと思います。私もカラオケじゃなくてギターも覚えて「ストリーツ・オブ・ロンドン」、歌いたくなってしまいました。

(マスター)2005.1.15

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