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ろっくす特選盤


日本盤


*どーん。ホット・ラッツだ。あのザッパ嫌いの英国民(これとシーク・ヤ・ブーティーしかヒットしてないっす)でさえ熱狂的に聴きまくりなーんとメロディ・メイカー誌の読者投票でレッド・ツェッペリンUを押さえて1位になっちまったつうお化けアルバム。ナンだとーと思う未聴の方は騙されて一回聴いてみて下さい。好き嫌いはともかくうおと納得して貰えると思うのだが。かくゆう私も3枚目に入手、これでどっぷり、くそこうなったら全部集めてやるこのやろーと決意した記念すべき罪盤なのです。ロック界で一番何か怖い人、敷居が高いったらありゃしないの人ですから本格的に聴き始めたのもあのMSIの怒涛のCD発売の時だったのですけど。さてデビュー以来意欲は高まる一方のザッパさん、どんどんやりたいこと増えて増えて溢れんばかり。一方それに付き合うマザースの連中は文句たらたら、はたから見ると気まぐれにしか思えなかったかもしれんし。でザッパさん腕前の割りにブーブー言う連中に嫌気さして68年8月16日のライブを最後にマザースを解散してしまいまった。そしてビザールとストレートつう自主レーベル立ち上げてお気に入りの怪しい音楽屋さんたちの音盤を次々と世に出してさらにランピイ・グレイヴィに続く2枚目のソロ・アルバムの製作にかかります。相棒はマザース後期にしっかりと彼を支えたマルチ・ミュージシャン、イアン・アンダーウッド氏。この方ただのねずみではござらぬエール大学の音楽学士、バークリー音楽院作曲家修士つう超音楽秀才さん、ジャズ・フリークでサックス、ピアノどんなんでもばりばりの正にこれからザッパ氏がやろうと目論んでいたことにぴったしの人材でありました。で出てきたのが1曲目、ピーチズ・エン・レガリア。どうだーとばかりのこのかっこ良さ。今回は語り&冗談抜きのガチンコ音楽勝負だってここに宣言だ。とかく難しいと思われておりますザッパ・ワールド。確かに一般ロックに比べりゃ入り組んでるのは確かであるけれどわたしゃ実にかわゆい下手すりゃホームドラマの主題曲に使える人懐っこい面持ってると思います。この曲もそう。かっこ良さとほのぼのの同居などとゆう奇跡のようなホット・ラッツ・テーマ曲かと。これでがっちり人心を掌握した後、登場は2.ウィリー・ザ・ピンプ。悪友キャプテン・ビーフハート隊長健在。吠える。このセッション時、廊下で待機中、俺は声でガラスを割ることが出来ると「ぐおーーー」とやったら上で別パート録音中のザッパ先生が飛んで来て「今のクソ声はいったいなんだ!」って。本人はもうちょっとで割れたのにって。なクソ声ヴォーカルがドスかまします。そしてどけどけー俺だ俺だとご本尊のギター・ソロ乱入。いつもより沢山弾いてます。後期とは一味違うブルーノート音多しの超絶フレーズ連発。風速70m俺は負けないぜで後半中東まで飛んでいくフレーズに思わずバックも答えた名演だ。スタジオ作とは言えこれはライブ、一期一会の音の戦いっす。ジャズ・セッションの手法を本当の意味でロックでやりおおせた稀有な例だと確信いたします。3.緑ジーパンおじさんの息子は1.と同様のアレンジド・ジャズ・ファンク。華麗なる音のペルシア絨毯。色んな音が集まっては飛び散ってキンラキンラ光ってます。ファンキイかつドハデなドラムは元祖LAグルーヴィ・ドラマー、ポール・ハンフリー大王。ベースは同じくLAの名人マックス・ベネット。こうゆう腕前とザッパ氏の遭遇は正にソロだからこそ出来えたことだわなあ。70’sジャズ・ファンク大爆発に一歩二歩三歩先駆けてしまいました。そしてアナログではレコードひっくり返してB面1曲目は「ちっちゃな傘」。プリティかつ荘厳なジャンル飛び越えた名品です。2.ガンボ・ヴァイブレーション。A面の2.でとどめ刺されてもう駄目ってなったところにこれだ。オイニー漂うサックスでじわりじわりと始まって緑ジーパンの鉄壁リズム・コンビが煽り出す。1コード・グルーヴ、まだですまだですよーってさんざじらした所で登場はあの鬼ヴァイオリニスト、シュガー・ケイン・ハリス。自然ディストーションのこのヴァイオリンがもう超絶ですってば。てば。言語絶する気持ちよさ。説明でけん。聴いてくれ。永遠にこの時よ続けと祈っているとそうはいくかいこの俺をお忘れですかいと御大ついに腰を上げて出馬負けずと咆哮すればドラム&ベースがうなって最後は全員でのガンボ鍋底までさらうあさましさ。正に鬼どもの狂演、ドキュメントです。最後は「それはラクダだがや。違いない。」。火照った体を少しづつ冷ますような指圧インストでござる。静かにエレガントに絡むここでのヴァイオリンはジャン・リュック・ポンティ氏。とにかく熱いです。この熱さはザッパ・アルバム中第1位。クールな御大がもしかすると我を忘れてプレイしたんじゃないかつう。それだけバック陣の熱さも只者でなく。アメリカ音楽の底無しの体力を見せ付けられた思いでござる。これを聴かれましてあきまへんでしたらザッパ道は歩行不能かと。まさかそんな方はおるまいと思いますが。拒絶される時は物凄い勢いで頼む。嫌ですとこれはもう尋常で無く嫌だぞ。

(マスター)2004.11.11

みなさんオピニオン
マスター> やっぱしー(^0^)。お仲間がいてほんと嬉しいっす。

name : きーすうぇすと
comment : 私も初めて聴いたザ・バンドがこれでした(リアルタイムではないけど)。聴く前になんとなく怖かった感じ、わかるなあ。ラジオがきっかけというのも一緒(曲は「同じことさ」でした。)そしてやっぱり同じように名曲の嵐ぶりにやられてしまいました。何度か泣いた気がする。
how : search engine
マスター> すんません。個人的人生盤シリーズ続いてます。ザ・バンドの南十字星。何回聴いても圧倒されて文章もはちゃめちゃだー。 [11/10 10:22]







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