*ロックギター界のカミソリ与力ことジェフ・ベックさんの考えてみれば初ソロ名義アルバム、ブロウ・バイ・ブロウ。邦題は「ギター殺人者の凱旋」なんちゅう恐ろしいタイトルでした。なぜ殺人者かようわかりませんが殺られます。凱旋とはよく言ったものでこのダイアモンドの弦が四次元空間でねじれて拡散収束を急速に繰り返してるようなギターはどうやっても前に出ちゃうから歌手付バンドではどうも収まりが悪かったのは確かとの思いが個人的には。で思いのたけやりました。インスト・アルバム。プロデュースはジョージ・マーティン爺。余計なこと考えささずにひたすら弾かせた手腕たるや見事。バックはハミングバードのマックス・ミドルトン、ゴンザレスのフィル・チェンとリチャード・ベイリー氏と英国パブファンク組の猛者が担当。この時期油が乗り切っていたそのシーンの凄さ爆発のアルバムでもあります。同時に米国でもジャズ・ファンク全盛、グローバー・ワシントンJrとかクインシー・ジョーンズとかフレディ・ハバートとかハンコックさんがキラーな盤連発で、そうですこの時期にこの音しかない、英国からの回答、様々な状況がぴたりとはまった名盤でもう。柔軟ながら的確でそれでいてイギリスならでは律儀なバックがほんと偉い。もちろんベックさんのギターは言わずもがな。豪快に好きなだけ泳いでレスポールも良い音出してもらって実に嬉しそうです。若い頃はこの次のワイアードが好きでした。派手でござんしたから。今でも好きですがこちらは歳を重ねるごとに味わいが増してくる。芳醇であります。アロマであります。最近パブ組の凄さを知ってから味わい3倍増し。分かってくれるかい。あ、4.のエア・ブロワーのイントロ部分は、そっくりNWファンクのア・サーテン・レシオが。かっこよさはいつまでも。一線超えてるからいつまでも古くならないのだ。 (山)2003.11.26 |
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v2 ギター殺人者の凱旋 ジェフ・ベック 1975/3 身が引き締まる思いです。 何度聴いても。そのたびに直立不動。しまいにゃ反り返っちゃう。 ギターにその一生を捧げ高野山聖僧職人道をひた走る鬼人間、 ジェフ・ベック師、1975年作、 ギター殺人者の凱旋 〜Blow by Blow これがどんぴしゃの時期、まさに機は熟せりに初のギター全開オールインストとなった盤。 身が引き締まる重いです。 何しろ指揮官上官がジョ−ジ・マーティン元帥。 始終ニコニコ顔ながら、出来ねえ奴ならそのままほっとき、 出来る奴だと踏んだなら、血も涙も無い作戦指令を出して、ただやらせる。 一発で決まる時もござろう。 しかしおそらくやらせてあかんかったらニコニコしてもう一回、またやらせて駄目だったらもう一回、 職人はハナからそんなの無理だ、出来るわけねえとブツクサ言ってるのに。さんざやらされてもう限界、 テンパって意識飛んだその瞬間のテイクがOK。となった数々が納められてると推測されます。 だからアウトテイクはきっと数知れず。しかし生きてる間は意地でも門外不出となって悪魔札で封印されてる。 アウトテイクはアウトテイクですから、陶器職人なら割ってる。そうだ音楽職人ならテープ引きちぎってるかもしれん。 プロで極限の名人が、人跡未踏の地を限界超えて到達した時、 マーティン元帥、人に訊かれたらこう答えていたでしょう。 「そんなこといったい可能なんですか?」 「まあ無理だろうな。だが戦争の時は人って奴は火事場の馬鹿ぢからで何とかやっちまう時があるもんだよ。」 byナバロンの要塞。 ここは音楽戦時下です。 プロで極限の名工が遂行不可能な作戦を為し遂げた時、俺らは背筋凍らせて末代まで鳥肌立つことになります。 それを為すのはもう意地でしかなく、 バックの英国音楽界から冷たい空っ風で干されていたファンク・ブラザー連中、 マックス・ミドルトン氏 フィル・チェン氏 リチャード・ベイリー氏 同じ業を持つ類は友を呼んだ梁山泊ハミングバードとゴンザレスからはせ参じ、一世一代の仕事為す。 俺たちはここにいるぞと。 現場先頭指揮官ジェフ・ベック少尉、当然自ら先頭に立って角度105度高さ150mの絶壁に挑みます。 ただ弾くだけでは当然そんなん昇れない。 彼にしてここまでやるのか、やってしまう、やってしまったではないかの技で。 もっとも後世に伝わる 哀しみの恋人達 を聴いてみましょう。一聴ロマンチックで悲しげで泣く。 だが油断して聴くなどとんでもない。一音一音、手練手管は遂行されてます。 指やらピックやらその脳髄から直結された部位は音を出すたびトーンをいぢくり怨霊音量いぢくり弾く角度を変え放す機会を変え、 無辜の情景唄う。声を出して。 彼の声帯はギターです。 それで生きて来た一代限りの横綱。後にも先にも彼だけ。 そして1975年、ファンクがその命を最も輝かせていた年。 向こうには同じファンクを根こそぎぶっ立たせた、ゼップの”フィジカル・グラフィティ”有り。 こちらは”ブロウ・バイ・ブロウ”・・・・タイトルを交換してもOKなくらい見ていたところは同じかと。 すべては人とゆう柔なくせに何をやらかし出すかわからん存在が説明不能なことをしやがったあげく。 日本盤LPには楽譜がついてます。 「完コピ」と銘打って。 そんなわきゃあねえのはオール人の知るところ。 楽譜などに現せる代物なら、はじめっからやっとらん。見えないほど曇りっぱなしの鏡みたいなもんだ。 それよりも表してるのは、その楽譜の裏側の、 むしろLP2枚大の少尉立ち姿の方だと確信いたします。 ↑注:上半分のみ。 (山)2008.3.10 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Blu-spec CD ブロウ・バイ・ブロウ ブロウ・バイ・ブロウ Blow by Blow 哀しみの恋人達 - Cause We've Ended As Lovers (Wonder) Jeff" Beck http://www.youtube.com/watch?v=THnbh5lTqSY |
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みなさんオピニオン | |
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